"受話器" に関するエピソード

「人生最大の修羅場」

67歳 男性のストーリー
大学院生だった時に研究室に入ってきた4年生の女の子が、卒論をまとめるために私の下に付き、わたしが指導することになりました。
ある日、実験が遅くなってしまったので、その女の子を私が借りていたアパートに止めました。その夜のことについては想像に任せます。
翌日の朝、女の子はそのまま自宅に戻り、私は大学に行きました。別れ際に彼女が、女の友達の家に泊まったことにする。大学関係だとバレてしまうので、高校時代の友達にすると言っていました。
大学に付くと研究室が大騒ぎになっていました。彼女の両親が、昨日娘が帰ってこないので、警察に捜索願を出したと、研究室の教授に連絡が入ったというのです。
私は駅で別れたと言い切ってとぼけるしかないと覚悟を決めました。ところが、彼女と一緒に内の研究室に入ってきた仲の良い友達がいて、研究室の電話で片っ端から泊まっていそうな友達の家に電話をしまくっています。
しかし、別れ際に彼女が言っていた「高校時代の友達を」を思い出し、流石にそこまではと安心していたのですが、大学での知り合いは全て掛け終わると、「高校時代の、彼女と仲の良い友達がいるので、もしかしたらそこかも」と言い、電話番号も知っていると言うのです。
この時、私の人生は終わったと、目の前が真っ暗、頭の中は真っ白になったのを今でもはっきりと覚えています。そして、その女友達が高校時代の友達に連絡しようと受話器を取った時に、研究室の別の電話が鳴り、誰かが出ると、朝別れた彼女が家から掛けてきた電話でした。正に間一髪、首の皮一枚を残して命が繋がった瞬間でした。

「これまでに一番勇気を出した瞬間」

54歳 男性のストーリー
初恋の女の子に告白をしたこと。もう35年以上前の話です。中学校の卒業式の翌日、小学校3年のころから好きだった女の子に告白しようと決めました。自宅から彼女の家に電話をすると、電話に出たのはお母さん。当時は携帯電話なんかないので、自宅の家電に架けるしかないのです。家が近く、毎年誕生会に招待されていたのでお母さんのこともよく知っていました。でも今回ばかりは自分がかけていると知られてはいけないので、偽名を使った記憶があります。
彼女が電話に出て、何を話したかはもう全く覚えていませんが、一言「好きです」という前にあまりの緊張から言葉に詰まり、「ちょっと待ってね」と言って受話器を耳から外して深呼吸し、そのあとに告白をしました。彼女は「えー・・・?」と言い、最後は「また電話して」と言ってくれました。その時はなぜか付き合ってほしいとは言えず、結局その後電話することもできず。
彼女とはその後何度か駅で会ったりして、大人になってから車でドライブデートをしたこともありますが、最も勇気を出したのはそのきっかけとなった告白電話です。
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