"体力増強ドリンク" に関するエピソード

「自分は特別だと思った瞬間」

46歳 女性のストーリー
すごく楽しく働いていた派遣先の事です。
そこは、ワンフロアに1000人近くもいるかなりの大手の会社でした。
そこでは、たくさんの人と多く関わる業務をしていたため、たくさんの人から慕ってもらい、ちょっとした事で話しかけられていたので、毎日会社へ行くのが楽しみで仕方ありませんでした。
仕事が終われば飲みに連れて行かれ、そのままカラオケへ行き、ほぼ朝まで。朝方家に帰り仮眠してまた会社へ行く、なんてこともよくありました。
ありがたい事に、飲み代はほとんど払ってもらっていました。
そんな人たちでしたが、期末になるとほぼ毎日残業で、会議室にこもって会社に寝泊まりしながら仕事するため、会議室の机の上には体力増強ドリンクや、眠気覚ましドリンク、タバコの吸殻が溢れた灰皿なんかも目立ちました。
あまりに酷かったので、いつもの御礼のつもりでお茶やコーヒーをいれたり、軽食を差し入れたりも、していました。
そんな会社を、派遣先と派遣元のトップのイザコザから一斉撤退となり、それに巻き込まれたわたしも辞めなければいけなくなってしまったとき、周りの殆どの人が辞めなくてもいい方法を探してくれ、動いてくれていました。
ただ、派遣元はわたしを離してくれませんでした。
他の人も続けさせてくれ、単価も、アップでなければわたしを続けさせない。他の派遣元にも移動させない。他で仕事をさせる。
と、わたしを取引の条件にまでしたため、さらに状況は悪化し、撤退は確定となってしまいました。
派遣元を辞める事を派遣元から拒否されたため、契約満了での終了です。
その最終日、3時を過ぎたあたりから、たくさんの人が次々と声をかけてきてくれ、残務処理が多少ありましたが、それをうちのグループの人が引き取ってくれ、その人達に使う時間としてもらえました。
合間に各チームの上司へ挨拶に回っているときも、たくさんの人に声をかけてもらい、一緒に回っていた派遣の人が苦笑するくらいでした。
挨拶回りも終えて、関わっていた殆どの人とも挨拶を終えたので、最後にうちのグループの人達に挨拶をし、荷物をまとめて出ようとしたとき、うちのグループの人達が全員出口まで見送りに来てくれました。
異例です。こんな事、今まで他の人が辞めたときに見たことありませんでした。
エレベーターのドアが閉まるまで、笑顔で見送ってくれ、みんな手を振ってくれました。
あんな会社、ほかにはありません。
人生最高に、最大に幸せな、かけがえのない職場でした。
そして、わたしだけの特別待遇だったのだ、と後でききました。

わたしだけが特別。
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